第135章

「その裏には確かに、部外者の知らない秘密が隠されているのよ」

 天川彩香はそう答えた。

 私は目を輝かせ、居住まいを正す。

 秘密。その甘美な響きに抗える者などいない。

「詳しく聞かせて!」

「長崎の社長、長崎雄三の後妻について調べたでしょ? 愛人が本妻の座を奪ったって話」

 天川彩香が逆に問いかけてくる。

 その情報は確かに秘密でも何でもない。長崎雄三が隠そうとしても、隠しきれるものではないからだ。

「ええ。今の口ぶりだと、その後妻が絡んでいるの?」

「勘が鋭くなったわね。その通り、少なからず関係があるわ。聞いた話じゃ、長崎雄三の妻は彼に嫁ぐ前、安田の重役の愛人だったらし...

ログインして続きを読む