第140章

玖珂智の顔色は依然として優れないままだ。

長崎雄三の訴えを聞いても、その心は微塵も揺らいでいないように見える。

その胆力と気迫。たとえバックに玖珂家の支援がなかったとしても、玖珂智という男ならば必ずや成功を掴み取っていただろうと、私は確信した。

もっとも、長崎雄三が疑念と驚きを抱くのも無理はない。

企業を大きくするには利益こそが全て。こんなことが表沙汰になれば、今後の提携に傷がつく可能性だってある。それでも、玖珂智は迷わず手を下したのだ。

感動しないわけがない。

彼はこれまでも何度か私を助けてくれた。それも、私が一番追い詰められている時に。だが今回は、単なる私情ではない気がする。...

ログインして続きを読む