第45章

藤原純は川崎志乃を見送った。

そして、良い夫を演じるように、ベッドの端に腰掛け、優しく私の髪を撫でていた。

私の顔!

そして首!

彼の大きな手が私の首で一瞬止まった。

その時、彼の手が少し冷たく感じた。

まるで冷たい蛇が私の首に張り付いたような感覚で、一瞬、彼は私の首を折ろうとしているのではないかと思った。

だが、かすかに外から近づいてくる足音が聞こえたのか、藤原純は手を引っ込めた。

そしてリンゴの皮を剥き始めた。

「へぇ、あなたが奥さんを大事にしてるなんて思わなかったわ。夕子が病気になっても、ずっと側にいるなんて言わないし。あなたが夕子をどれだけ愛してるのかと思ったけど、...

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