第42章

私の心は何かに刺されたように鋭い痛みが胸から広がっていく。

逃げ出したい、藤原大輔の答えを聞くのが怖い。でも足はまるで釘付けになったように、半歩も動かせない。

「どうして入らないの?」

山田宗一の声が突然背後から聞こえて、私はびくりと跳ね上がった。

部屋のドアがすぐに内側から開き、田中雄介が入口に立って私を見ていた。

「食べる?キッチンにまだあるけど」私は必死に平静を装った。

田中雄介はポケットに片手を入れながら出てきた。「ちょっと腹減ったな。三郎、行こうぜ、下で何か食おう」

そう言うと、彼は山田宗一の首に腕をかけ、一緒に階段を下りていった。

私がおかゆを持って部屋に入ると、...

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