第45章

私は黙って席に戻り、写真を見続けていたが、すでに完全に上の空だった。しかし、一枚の黄ばんだ古い写真がすぐに私の注意を引いた。

それは藤原大輔と一人の女性の写真だった。写真の中の藤原大輔はまだあどけなさが残っていて、おそらく二十歳前後といったところだろう。そして女性もほぼ同じ年頃で、とても美しかった。写真の中で藤原大輔の手が自然に女性の肩に置かれているという細部まで、私には無視できなかった。

私の心の中は複雑な感情が渦巻いていた。もっとよく見ようとした瞬間、突然どこからともなく伸びてきた手が写真をさっと取り上げた。

「おじいちゃん、こんな写真人に見せられるの?わざわざ俺の嫁に見せるなんて...

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