第51章

牢獄は、物語に事欠かない場所だ。

あの十八歳の少女、白いワンピースを着た彼女の後ろ姿は今なお青春そのものだったが、体はすでに重々しく、体の両側にだらりと垂れた手からは彼女の緊張が伝わってきた。

私は視線を戻し、藤原大輔を見た。先ほどの興奮に比べると、今はずっと落ち着いていた。

「真相は何?」

藤原大輔は一服煙を吸い、もう片方の手で私の手を取った。私は反射的に手を引こうとしたが、彼はすぐに強く握り、私が振りほどくことを許さなかった。

「車の中で話そう。一晩中立ちっぱなしだったから、疲れたよ」

一晩中立ちっぱなし?

私は気づいた。藤原大輔を前にすると、もう冷静でいられない。彼の声に...

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