第52章

彼の意図は明らかだったけど、これは狂気じゃない?

ドアに鍵をかけてなかったはずなのに、いつ誰かが入ってくるかわからないのに。バレたら恥ずかしすぎる!

私は緊張して彼を押しながら「夜勤明けで疲れてるの」と言った。

藤原大輔は諦める気配もなく、体を覆いかぶさるように圧し掛かり、耳元で甘く囁いた。「嫁さんが疲れてても大丈夫、頑張るのは旦那の役目だから」

彼の誘惑に抵抗できない自分がいる一方で、鍵のかかっていないドアが気がかりでたまらなかった。

彼もこんな場所で長々と愛を交わす状況ではないことを理解していたのか、すぐに本題に入った。

「嫁さん、見てわかるだろう?俺は君が望むものすべてを与...

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