第10章

 「立ちなさい、大志」

 「聞いてくれるまで立たない」彼の声は震えていた。「頼む。話を聞いてくれ」

 彼女はため息をついた。「二週間も聞き続けてきたわ。あなたからの電話には出なかったし、手紙も読まなかったし、花は送り返した。これ以上、何があるっていうの?」

 「俺が間違ってたんだ」雨に混じって、涙が彼の頬を伝った。「俺が間違ってたのは分かってる。全部、分かったんだ。美香は最初から嘘をついていた。あいつは金のために俺に近づいたんだ。祖母があいつに金を払って俺と別れさせたのも、全部金のためだった。あいつが戻ってきたのは、闇金に借金があったからだ。お前にしたこと、一つ残らず、全部、今では知っ...

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