第6章

美奈子視点

すべては、信じられないほど一瞬の出来事だった。

さっきまで階段の上で私と話していた彼女が、次の瞬間には、白いドレスを翻しながら転がり落ちていた。

嫌な音を立てて階段の下に叩きつけられ、誰もが息をのんだ。

「なんてことだ!」部屋の向こうから誰かが叫んだ。

人々がすぐに彼女のもとへ駆け寄り、真っ先にたどり着いたのは大志だった。彼は彼女のそばの床に膝をついた。

「美香! 大丈夫か? 俺の声が聞こえるか?」

彼女は泣きながら腕を抱きしめていた。「すごく痛い、大志。腕が、本当に痛いの」

そして、涙に濡れた彼女の瞳が、部屋の向こうに立つ私を捉えた。「美奈子...

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