デーモンモンク。

ノア

パントリーに誰にも気づかれずに出入りできるなんて、甘い考えを起こすべきじゃなかった。俺はスウェットパンツ一丁という姿で、悲壮な決意を顔に張り付け、何かに取り憑かれたように城の廊下を進んだ。冥界は厳密には眠らないが、広間は概ね静まり返り、低い魔力を帯びて唸る松明の揺らめく光に包まれていた。遠くのどこかで亡霊がうめき声を上げたが、おそらく除霊されている最中だろう。俺は足を止めなかった。まずはキッチンを襲撃し、基本物資を確保する。ピクルス、蜂蜜、そしてレモン果汁。さらに塩も追加した。どうやら普通のピクルスだけでは不味さが足りないらしい。そしてパントリーを開け、乾燥ハーブの袋の裏に隠さ...

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