もし?

胸の苦しさが少し和らぐまで、僕は彗星を見つめ続けた。効果はあった。少しだけ。でも、十分じゃなかった。

「メイス?」僕は囁いた。

彼女は目を開けなかったけれど、眉を動かして「なに?」と合図した。それで十分だ。

「本当の家族が、僕を探してるかもしれないんだ」言葉にすると、それはちっぽけで、同時にひどく大きく感じられた。「つまり……僕と同類の。たぶん、血の繋がった家族が」

彼女は励ますように「んー」と声を漏らし、ファーガスを僕の方へ押しやった。よく聞こえるように、ということらしい。半寝状態のメイシーは、部下の使い方がとても気前がいい。

「いい人たちかどうかはわからない」僕は続けた。全部吐き...

ログインして続きを読む