ザ・ジム

エンヴィー

太陽が昇るより早く、体内時計が私を起こす。部屋はまだ暗く、カーテンが隙間なく閉め切られているせいで、今が真夜中なのか朝なのか見当もつかない。ほんの一瞬、寝ぼけてここがどこだかわからなくなる。雲のようにふかふかの巨大なベッド、重たい毛布、自分のものじゃない匂い。

次の瞬間、昨日の出来事すべてが脳裏に蘇る。誘拐。ローグ。つがい。混乱。そして、肩のズキズキとした痛みが、残りの記憶を忘れまいと主張してくる。

私は毛布を跳ねのけると、冷たい隙間風が素足を撫で、身震いした。そうだった。下着もパンツも履いていない。ハイデンのだぶだぶのシャツが、太ももの半ばまで垂れ下がっているだけだ...

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