ハンバーガーとミルクシェイク。

その小さなハンバーガーカフェは、ネオンと郷愁、ビニール張りのボックス席、市松模様の床、そして片隅で古めかしいブルースを奏でるジュークボックスが継ぎ接ぎされたような場所だった。塩と油、そして過剰なほどの砂糖の匂いが漂う店。けれどなぜか、それが完璧に感じられた。

ディーンが向かいのボックス席に滑り込み、テーブルに肘をつく。そのニヤリとした笑みは、無視できそうになかった。「すげえいい匂いだって言ったろ?」

「はいはい」私は彼の視線を避けるように、ラミネート加工されたメニューをめくりながら呟いた。「それだけは認めるわ」

彼は身を乗り出し、メニューの上から覗き込もうとしてくる。「君は王道のバーガ...

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