トラブル。

エリオット

金曜の午後にしては、パックハウスは妙に静まり返っていた。大人のほとんどは冥界へ出向き、ゲートとハイデンの待機室の間で運用する新システムの調整にかかりきりだったからだ。残っているのは俺と数人のパックメンバー、そして片付けなければならない書類の山だけだった。巡回報告書の整理が半分ほど終わったところで、オフィスの電話が鳴った。

何も考えず、俺は受話器を取った。「レッドムーン・パックハウス、エリオットです」

一瞬の間があり、電話の向こうで低い声の主が咳払いをした。「レッドムーン高校の校長、ハモンドです。アルファかルナとお話ししたいのですが。メイシーの件で」

一瞬、聞き間違い...

ログインして続きを読む