ロッテン・ソウルズ.

心臓が跳ね上がり、喉の奥で息が詰まった。「ふざけ……」

私が言い終わるより早く、彼は動いた。今まで見たこともない速さだ。彼の手が私の髪に絡みつき、頭を強引に後ろへ引く。首が悲鳴を上げた。次の瞬間、彼の唇が私の唇に押し付けられた。そこには優しさも慈しみもなく、あるのはただの所有欲と怒り、そして歯がぶつかる感触だけ。私は彼の胸を押し返して抵抗したが、彼は圧倒的な暴力と怒りの塊で、私など存在しないかのようにその場に押さえつけた。

私は彼の不快な唇を思い切り噛んでやった。口の中に鉄のような血の味が広がり、彼は歯の間から鋭い息を漏らして身を引いた。一瞬、ほんの一瞬だけ、この勝負は私が勝ったのかもしれない...

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