拒否。

ザビエル

最高にセクシーなバイクが私道に入ってくる。艶やかな黒のCBR1000。俺がNinjaを手に入れて以来、ずっと夢見ていたモデルそのものだ。妹がタイトな黒のレザージャケットを着て後ろに乗っているが、運転しているライダーは、ぴっちりとした白のクロップトップにレザーパンツ、ライディングブーツ、そしてグローブという出で立ちだ。二人が俺たちの前で停止する――その瞬間、匂いが俺を直撃した。強烈に。バニラ。ブルーベリー。温かく、甘く、純粋な香り。俺の「番(つがい)」だ。

思考するより先に体が動いていた。アリーシャがまるで殺人を自白するかのように両手を上げてバイクから飛び降りるが、俺は妹を通り過ぎ、ライダーの元へと歩み寄る。ヘルメットの下端を掴み、彼女の顔を強引にこちらへ向けさせた。

「俺の番だ」俺は低く、荒々しく唸った。

彼女の胸が鋭く上下し、肺から空気を殴り出されたかのように息を詰まらせる。

「番なんだろう?」反応のない彼女に、俺は繰り返した。

心臓が激しく打ち付け、その音しか聞こえないほどだ。

『番が来た』俺は三人の弟たち全員に、同時に念話(マインドリンク)を送った。

震える手で、ヘルメットのストラップに指をかける。俺の手が震えるなんて、今まで一度だってなかったことだ。ゆっくりと留め具を外す。彼女は動かない。止めようともしないし、顔を背けもしない。ヘルメットを脱がせ、その瞳を、その顔を、彼女が何者なのかを確かめようとした――その時だ。あの馬鹿な三人の弟たちが、暴走する雄牛のような勢いで家から飛び出してきたのは。

「番だ!」奴らは声を揃えて咆哮し、こちらへ殺到してくる。

彼女は俺の手から逃れるように頭を仰け反らせ、狂ったように俺たちの顔を見比べた。そして俺の肩越しに視線を移す。そこには、半裸で、情事を終えたばかりのルーシーとサラが、千鳥足でドアから出てくるところだった。

俺の番が、瞬時に硬直する。背筋が伸び、呼吸のリズムが変わる。ヘイデンもそれに気づいたのか、両手を上げて前に進み出たが、ひどくふらついていて今にも顔面から倒れそうだ。

「番よ、頼む……」呂律の回らない声で、ヘイデンが懇願する。

彼女は一瞬だけ躊躇した。ほんの一瞬だ。するとノアが、シャツを半分しか着ておらず、ベルトも外れたまま、髪を乱し、こめかみから汗を滴らせた状態で近づいてくる。一秒遅れてレヴィが隣に現れた。上半身は裸で、胸にはサラの爪によるひっかき傷が走っている。

俺の番の全身が強張った。俺は彼女に向かって一歩踏み出す――だが、あのアバズレの一人が甲高い声を上げた。

「ノア! ベイビー! その女は一体誰なの? 何してるのよ!」ルーシーの声は、農作物を枯らすほど耳障りだ。

続いてサラが叫ぶ。「レヴィ! 続きをしましょうよ!」

俺の番は肩越しに手を伸ばし、剣を抜いた。巨大な刃だ。熊の腹さえ切り裂けそうな鋭さを持っている。彼女はその切っ先を、真っ直ぐにヘイデンの喉元へ突きつけた。

「どいて」彼女が言ったのはそれだけだ。

ヘイデンが唾を飲み込む音が、ここまではっきりと聞こえた。奴は自分の足にもつれそうになりながら、よろめいて道を空ける。バイクのエンジンが唸りを上げた。激しく。俺たちが捕まえる隙もなく、彼女は私道を猛スピードで駆け抜け、砂煙の嵐を残して去っていった。消えてしまった。俺の心臓も、彼女と共に持っていかれた。

「この大馬鹿野郎どもが!」

俺はまずノアに向き直り、その顎を正拳で殴りつけた。奴は激しく地面に叩きつけられる。次はレヴィだ――俺の拳が奴の喉元に深々と突き刺さる。レヴィは窒息したようなあえぎ声を上げて崩れ落ちた。ヘイデンが仲裁に入ろうとよろめき出てきたが、俺は奴を突き飛ばした。ヘイデンは砂利の上に倒れ込み、死なないように必死に耐えるかのように体を丸めた。

「クソッ、すまない!」ノアが顎を押さえながら叫ぶ。

レヴィは言葉を発せない。ただあえぎ、顔には涙が伝っている。いい気味だ。泣けばいい。

ヘイデンは子供のように自分を抱きしめ、さらに小さく丸まっている。

「あの女たちを追い出せ。今すぐにだ」俺はカビのようにうろついているルーシーとサラを指差した。

俺が一歩近づくと、女たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。俺はトミーの腕の下に隠れて目を丸くしているアリーシャに向き直った。

「そのジャケットをよこせ」

彼女はすぐにジャケットを俺の手に押し付けた。俺はそれを顔に埋め、深く息を吸い込む。微かに妹の匂いがするが、その奥にあるのは――俺の番の香りだ。力強く、甘く、純粋だ。正直、強すぎるほどだ。本来なら道路の砂埃や排気ガスにまみれているはずなのに、この香りは異常だ。この絆は、彼女の匂いを隠すことなど気にも留めていないのだと改めて思い知らされる。まるで運命が彼女を俺の腕に無理やり押し込もうとするかのように、あらゆる障壁を突き破ってくる。俺は目を閉じた。肺が焼けるようだ。

「中に入れ。俺のオフィスだ。今すぐ」俺がアリーシャに命じると、彼女は素早く頷き、トミーと共に急いで家の中へ入っていった。

俺は弟たちを振り返った。「身なりを整えろ。そしてこのクソみたいな惨状を片付けろ」

俺は大股で家に向かった。答えが必要だ。彼女は誰なのか? どこから来たのか? 一体どうすればまた彼女を見つけられるのか? 彼女を失うという選択肢は、俺にはない。

ノア

顎がズキズキと痛むが、胸の痛みの方が遥かに酷い。彼女の顔を見ることはできなかったが、その香りだけで……ああ、神よ。あんな香りは嗅いだことがない。彼女が現れるなんて思ってもみなかった。世界のどこかに消えてしまったのだと思っていた。失われ、二度と現れないのだと。だから俺は、忘れるために、感覚を麻痺させるためにルーシーを呼んだんだ。それなのに、あの念話が響いた。『番がいる』と。ズボンもまともに履かずに走った。そして今、彼女は行ってしまった。俺のせいだ。もし彼女が俺たちを望まなかったら? もし二度と戻ってこなかったら?

レヴィ

ようやく呼吸ができるようになると、俺は背中にすがりつくサラの手を振り払った。

「失せろ」俺は吠えた。

サラは野生化した猫のように爪を立てて俺に飛びかかってきた。本物の番にマーキングされる前に、自分の痕跡を残せるとでも思っているのか、その安っぽい付け爪で俺の胸を引っ掻く。

「ベイビー、お願い! 愛してるの! あの女はあなたを愛してないわ! あなたに相応しくない! 私があなたの『ルナ』になるはずでしょう!」

「お前には何の価値もない」俺は唸った。「とっとと出て行け」

突き飛ばすと、彼女は尻餅をついた。ルーシーが金切り声を上げる。「私たちを選ぶって約束したじゃない!」

「約束なんてしていない。もし番が見つからなかったら、その時は、と言っただけだ。俺たちは番を見つけた。だから消えろ。今すぐにだ」

女たちがゴキブリのように散っていくと、俺は地面で丸まって震えているヘイデンを見下ろした。俺はため息をつき、ノアと一緒に奴を引き起こした。

「立てよ。寝転がっていても何も解決しないぞ」

ヘイデン

酔ってる。

酷く酔ってる。

そして俺の番は……ああ神よ、彼女はとてもいい匂いがした。ノアとレヴィに引きずられて家に向かっている唯一の理由は、ザビエルが持っていったあのジャケットの匂いを嗅ぎたいからだ。彼女の香りが好きだ。彼女が欲しい。俺の番は俺を拒絶した。俺の喉に剣を突きつけた。「どいて」と言った……最高にセクシーだった。人生でこれほど誰かを求めたことはない。一度もだ。彼女は俺にどくように言った。だから俺はそうした。そして、俺の心は粉々に砕け散った。

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