グリーンライトと思い出。

エンヴィー

温もり。潮が引いていくように、ゆっくりと眠りから引き戻される。体には心地よい重みと、気だるい痛みが残っている。筋肉は弛緩し、心臓は穏やかに脈打つ。だが、意識は? もう動き出している。寝返りを打つと、隣で重みが移動するのを感じた。逞しい腕が私の腰に回され、強く抱き寄せられる。低い唸り声が聞こえ、ベッドにいるのが私一人ではないことを告げる。ノアだ。片目を開けて覗き込むと、腹が立つほどハンサムな彼の寝顔が枕に半分埋もれ、長い睫毛が頬にかかっているのが見えた。片腕は私の腰に、もう片方は毛布に絡まっている。深く、規則正しい寝息。温もり。

寝室の外で足音が響く。控えめなノック。そし...

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