彼女にやらせて.

日はまだ昇っていない。目が覚めると、世界は静まり返っていた。嵐が過ぎ去った後のような、重く、柔らかい静寂が漂っている。私はしばらく身動きひとつしなかった。体が痛む。いつもの痛みとは違う。戦いの後の痛みとも違う。もっと深い場所にある痛み――骨の中身をくり抜かれ、炎で縫い合わされたような感覚だ。私はゆっくりと上体を起こした。誰かが毛布をかけてくれたようだ。足元には重みがある。ノアだ。持ち場を離れようとしない野犬のように、手足を投げ出して眠っている。眠っている時でさえ、その眉間には皺が寄っていた。私は慎重に立ち上がり、体を伸ばす。足が抗議の声を上げ、肋骨が痛む。それでも、体は欠けていない。呼吸もして...

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