ハーモニー・オーバー・パワー.

少年の手を握り、もう片方の手をラヤの毛皮に置くと、私たちの間に力がほとばしった。鮮やかな青い光が、まるで生きている心臓の鼓動のように空気を震わせ、深く響く羽音を立てて外へと脈動した。それは単なる魔法ではなかった。記憶であり、血統であり、運命だった。世界にただ触れるだけではない、世界を認識し、それを「主張」する共鳴だった。

足元の大地が静まり返る。嵐が咆哮の途中で止まる。そして、時が……壊れた。乱暴にではない。かつてあの「繋がり」が切れたときのようにではなく、稲妻と雷鳴の合間にある静かな吐息のように、優しく。

戦場は私たちの周囲で凍りつき、切り取られた一コマの中に閉じ込められた。ノアの爪は振...

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