ユニティとホーム。

「長居はできないわ」セレーネは再び口を開いた。その声は先ほどよりも柔らかく、どこか遠く響いた。「私にも守るべき領域があるの。あなたなら、それがどういうことか分かるでしょう?」

彼女は軽く笑い声を漏らした。それはクリスタルを吹き抜ける風のように響き、古(いにしえ)の叡智を感じさせた。「けれど行く前に、あなたに贈り物があるの」

彼女は手を伸ばし、静かな星明かりを帯びた指先で、私の心臓の上あたりに触れた。それが何なのか尋ねる間もなく、温もりが体の中に広がった。それは「絆(テザー)」の炎や、「ヴェール」の焼けるような力とは違っていた。もっと古く、もっと優しく、もっと深いもの。まるで忘れ去られた記憶...

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