第十三章

セフィ

イワンが着ていたシャツが使い物にならないほどボロボロになってしまったので、ミーシャは代わりのシャツを取りに外のSUVへ走った。その間、ヴィクトルは携帯電話で着信を受け、ロシア語で誰かと話していた。通話を終えると、彼は言った。

「ボスがこっちに向かってる」

そして私を見てこう続けた。

「着替えてくれ。ボスが着き次第、ここを出る」

「ここを出るって? どこへ行くの?」

「もっと安全な場所だ。爆発現場が近すぎる。気に入らん」

「でも、離れられないわ。今日の午後はジャクソンさんをスーパーに連れて行かなきゃいけないの。毎週土曜は彼女の買い物に付き合ってるんだから。私がいないと、彼女は店...

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