チャプター 16

セフィ視点

SUVの車列が駐車場を飛び出し、裏路地を抜けて大通りへと疾走する。急カーブのたびに体が振られないよう、アドリックが私をしっかりと抱き寄せ、支えてくれた。前の車に衝突するのではないかと思うほど接近していたが、先行車がどんな動きを見せても、イワンは完璧に反応していた。何があろうと、常に一定の車間距離を保ち続けている。恐怖で正気を失っていなければ、その運転技術に感心していただろう。

マンションから二、三本通りを隔て、街中を縫うようにして高速道路へ向かおうとしたその時、追っ手のSUV二台が背後の交通流の中に現れた。イワンが加速してスティーブンの車を追い越す。これでスティーブンの...

ログインして続きを読む