第百八十三

セフィ視点

「じゃあ……やっぱり何も聞いてないのね?」

私は尋ねた。彼が在庫の中身を知っていたら、それを売るつもりがないのだとわかって安堵した。問題は、供給元がディーラーたちに黙って中身をすり替えようとしているらしいことだ。

彼は少し考え込んだ。「何も聞いてないな。知り合いの他のディーラーに当たって、何か聞いてないか探ることはできるけど。どうしてそんなことを聞くんだ? お前、売人を始めたのか? だから、今まで見たこともないようなデカい警備部隊を引き連れてるのか?」

私は思わず笑ってしまった。「売人なんてやってないわよ。でも、この最強の警備部隊は、今は四六時中私と一緒なの。チェン、...

ログインして続きを読む