第二十章

セフィ

私たちは、部屋が迷路のように入り組んだ屋敷の中を歩き続けた。キッチンの奥にはスタッフの居住区画があり、その隣にはさらに客室が続いている。キッチンの反対側には図書室があり、そこを探検するのが今から楽しみで仕方なかった。別の広々とした部屋には、いくつかのカウチと特大の椅子が置かれている。そこにあるフランス窓からは、私のバルコニーからも見えたプールと庭園へと出られるようになっていた。アドリックが庭を近くで見せたいと言うので、私たちは外へ出た。プールの脇を通った瞬間、庭園から漂う最高に素敵な花の香りに包まれた。上から嗅いだ時よりもずっと香りが強い。まるで天国を歩いているようだ。私はその香り...

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