第二百六十四章

――セフィ視点

「ヘフェ(ボス)、あいつらをいたぶるのが楽しくて仕方ねえんですよ。アンソニーには、メキシコ勢と取引しようとしてたって白状させました。ロレンツォは関わってなかったらしくて、その点も辻褄が合います。俺が裏切りをどれだけ嫌うか、ご存じでしょう。今後、俺に対してこんな裏切りを企むような奴がいれば、見せしめにしてやるつもりです。マッシモにはまだ、生きて帰れると思わせてありますよ。こいつの魂を完全に粉砕してから、火を点けてやるのが楽しみでね」

トリーノは一瞬口をつぐんだ。私たちは皆、大声で笑い出さないように必死だった。マッシモの最期について語るトリーノのセンスには、不謹慎ながらも感心さ...

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