第二百七十三章

スティーブン

少々悪趣味かもしれないが、衛兵を一人始末するたびに声に出して数を数えるのは、俺にとって密かな楽しみだった。「1……2……3……」今のところ、倉庫にいる他の誰も気づいていない。「4……5……」倉庫内は相変わらず平常運転だ。「6、7、8……最後のグループは勤務中にふざけ合っていたようだが、おかげで仕事が楽になったよ」イヤホン越しに低い笑い声が聞こえた。「そーして……9。自己ベスト更新まであと少しだな」再びイヤホンから笑い声。「おっと、10番が9番を見つけちまった。そいつは感心しないな、10番君。だが待て、まだいるぞ。11……12……よし。今だ」

監視ポイントからは全員の動きが見て...

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