第二百八十五章

アドリック視点

イワンたちがセフィの病室に戻ってくるまで、一時間あまりかかった。イワンはあちこち縫われていたが、大した怪我ではないようだった。俺は片眉を上げ、どうだったのかと視線を送る。

ミーシャが得意げな顔をした。「あの録画のおかげで、医者も徹底的に検査してくれたよ。骨折はなし。何箇所か縫っただけだ」

セフィは二人部屋に移されていたが、他の患者は入れないよう厳命されていた。俺たち全員が付き添うつもりだと知って、医者が気を利かせてエキストラベッドを用意してくれようとしていたのだ。ありがたい配慮だ。イワンはもう一つのベッドに体を伸ばした。疲れ切っているようだった。俺たち全員、疲労困...

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