第二百八十九章

*セフィ*

胸腔ドレーンはすぐに抜けた。看護師は、肺がちゃんと膨らんで機能しているか確認するため、抜去後三十分間はベッドで安静にしているように言った。三十分が経つと、彼女が入ってきて、もう起き上がってもいいと告げた。自分のためというより、アドリックのためにベッドから出たかった。彼をずっと私と一緒にここに閉じ込めていることに、まだ罪悪感があったからだ。少し歩けば、彼にとってもいい気分転換になるはずだ。

肋骨の打撲なら経験があるけれど、骨折は初めてだった。どっちも二度と御免だ。ほんの少し動くだけで、肋骨に痛みが走る。アンドレイとヴィクトルが、ベッドの端に座るのを手伝ってくれた。入院着がちゃんと...

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