第二十九章

セフィ

私は着替えるために急いで二階へ駆け上がった。アンドレイは寝室の外で待機してくれている。ジーンズを脱ぎ捨ててレギンスに履き替え、スポーツブラの上に大きめのシャツを被った。アンドレイに見ちゃいけないものを見せないための配慮だ。

部屋から出ると、彼はドアに背を向けて立っていた。まるで忠実な守護神のように。私はその隙を逃さず、クモザルのように彼の背中へ飛びついた。

「進め、愛馬よ!」

彼の前方へ指を突き出して叫ぶ。彼は私の脚をしっかりと掴むと、ひょいと背中の高い位置へ持ち上げた。そして、背中に人間一人が乗っていることなどまるで感じていないかのように、平然と階段を降りていく。

階段を降...

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