第二百九十五章

アドリック視点

「うまくいったのか?」

自分の思いつきが功を奏したことに、俺は少し驚いていた。

「ええ、ゆっくり戻ってきてるわ。でも思ったより早くはないけど。何をしたの?」

「舞踏会の後、怪我をした君が言ったのを思い出したんだ。セックスすると痛みが消えるってね。今の君にそれだけの体力があるとは思えないけど、考えることくらいはできるだろう?」と俺は言った。

彼女は上目遣いで俺を睨んだが、その顔には小さな笑みが浮かんでいて、死ぬほどセクシーだった。「ずるい人。でも好き。許してあげる」

彼女が浮かべたその笑顔に、俺の心臓は止まりそうになった。間違いなく、俺はこれを恋しく思っていたんだ。

「...

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