第三百二章

セフィ

一晩中、ぐっすりと眠ることができた。ベッドに戻ってからは、一度も身じろぎすらしなかったかもしれない。自分たちのベッドにいられること、そして隣にアドリックがいることが何よりも幸せだった。暖かく、心地よく、そこはまさに天国だった。彼は私を自分の胸の上に乗せようとはせず、私が怪我をしていないほうを下にして、背中を彼に預けるような体勢で寝かせてくれた。布団の中で彼の体温を感じながら、その暖かさのおかげで朝まで安らかに眠れたのだ。

彼が身動きする気配がして、私を抱く腕の力がわずかに強まるのを感じた。私を起こそうとしているようだが、急に動かさないよう細心の注意を払ってくれている。目を開...

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