第三百八章

アドリック

ヴィクトルが地図を持って戻ってくると、俺たちがやり取りを見て笑い合っているのが目に入った。「いつもいいところを見逃しちまうな」彼はそう言うと、ミシャの前に地図を広げた。

「セフィがもっともな指摘をしたんだ。俺たちの誰かが例の男と会ったら、誰の部下か勘づかれるだろうってな。でも、相手はイタリア語しか話せないかもしれないから厄介なことになる、つまり自分が会いに行くべきだって言い出したわけだ。それをミシャが即座に却下したのさ」アンドレイはまだ笑いながら言った。

「それはなしだ、セストリチカ。そんな体じゃ無理だ」ヴィクトルは厳しい表情で彼女を見て言った。

「くそ。これで三回...

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