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セフィ

私たちは翌朝、街へ戻る計画を立てていた。ヴィタリーも一緒に戻ることに同意してくれたが、彼は私たちより二、三日遅れて来ることになった。出発する前に、パナマでいくつか片付けておきたい用事があるそうだ。

私はコンタクトレンズを少しの間外そうと思い、こっそりと寝室へ抜け出した。心配をかけないよう、アドリックには行き先と何をするか伝えておいた。それでも彼は心配するだろうとは分かっていたけれど。彼の会話を邪魔したくはなかったが、目がどうしようもなく痒くて、もう限界だったのだ。せめて数分だけでも解放されたかった。コンタクトレンズなんて、世間で言われるほど良いものじゃない。

ベッドの端に腰を下ろ...

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