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セフィ

あの二人のクソ野郎――名前なんて知らないし、知りたくもない――がジムに最後に現れた。ヴィクトルは、長年ヴィタリに仕えている部下の一人とスパーリングをしていた。実力は拮抗している。アレクセイの言う通りだった。新しい相手と組むのはいいことだ。いつも同じ相手とばかり組んでいると、どうしても動きがパターン化してしまう。

私には選べる相手が五人もいるから、まだ新しいパートナーを必要とする段階には達していないけれど、数人の相手とはマンネリ気味になることもある。特にヴィクトルとスティーヴンだ。彼らは私に対して手加減をするから。スパーリング中、私を傷つけてしまわないかと、未だに心配している...

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