第三十七章

アドリック

彼女が深く息を吸い込む音が聞こえ、その体が俺の体に伸びてくるのを感じた。朝が来たに違いない。まだ起きたくなかった俺は、彼女をさらに引き寄せると、彼女も腕の中にすり寄ってきた。腕の中で寝返りを打って俺の方を向いた彼女の指先が、俺の顎髭を軽く撫でる。彼女が俺の顔に触れるこの感触が好きだ。まだ朝だと認めたくなくて、俺は目を閉じたままにしていた。

唇が軽く触れ、「おはよう」と囁く声が聞こえた。彼女の指はまだ俺の髭に触れている。

俺は唸り声を上げて彼女をきつく抱きしめ、枕に顔を埋めた。彼女はくすくすと笑い、指を俺の髪に通して首筋へと滑らせた。彼女が背中を撫で下ろすと、俺はさらに...

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