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セフィ

「確かな筋からの情報だが、あんたのところの署長のうち二人が、市長と通じているようだ」アドリックが言った。ヘンリーの顔色が曇るのを、私たちは二人して見てとった。

「誰だか分かっているんですか?」彼が尋ねる。

アドリックは頷いた。イワンが立ち上がり、二つのファイルをアドリックの机越しにヘンリーの目の前に置く。「二人とも市長と会っていた。あんたが市長を追い落とす相談を彼ら全員とした後でな。確証が取れているのはこの二人だけだが、現時点では誰も信用しないほうがいい」アドリックは告げた。ヘンリーは呆然としていた。「市長について、どこまで彼らに話した? リカルドについては?」

「リカ...

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