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*セフィ視点*

その晩、互いに疲れ果てるまで愛し合ったあと、私たちはベッドの上でもつれ合うようにして眠りに落ちた。彼はどこへも行かない。私だってどこへも行かない。それは分かっていた。でも、彼が私たちの関係を「公式」なものにしてくれたことで、自分が思っていた以上に大きな安心感に包まれていることに気がついた。

それにしても、その「公式」の証ときたら。この指輪には専用の郵便番号が必要なんじゃないかと思うほどの大きさだ。けれど、あらゆる意味で完璧だった。彼、私がブラックダイヤモンドについての冗談を言ったのを覚えていてくれたのね。メインの石はスクエアカットのブラックダイヤモンドで、宇宙からでも見えそ...

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