412

――セフィ視点

「で、姫。どうやってそんなに早く制御してるんだ? 今じゃ一秒で普通の状態から黒目に変えて、また戻せるようになってるし、それもめちゃくちゃ激怒することなくやってのけるだろ。どういうイメージでやってるんだ?」イヴァンが尋ねた。

「うーん、今まで深く考えたことなかったかも。ただなんとなくやってるだけっていうか。でも、小さい頃から怒りをまるで『生き物』みたいに捉える癖がついてたの。たぶん、私が怒りだと思ってるものって、実は私の中の悪魔なのかもね? みんなに念を送る時と似てるわ。ただ集中して、それを前に押し出す感じ」

イヴァンは一瞬目を閉じた。次に開いた時、その瞳はさっきよりずっと...

ログインして続きを読む