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アドリック視点

翌朝、珍しくセフィのほうが俺より先に目を覚ましていた。背中を指先で軽く円を描くように撫でられ、俺をゆっくりと起こそうとしているのがわかる。

俺は彼女をさらに強く引き寄せ、その首筋に顔を埋めた。彼女は静かに笑うと、脚を俺の腰に絡ませ、身体をぴったりと密着させてきた。

「一日中、こうしていようか」俺は言った。

「すごく疲れてるの? また『ビリッ』ときた?」と彼女が尋ねる。声に滲む心配の色が耳に届くが、それ以上に肌で直接その感情を感じ取ることができた。

「いや。ただ少し休みたいだけだ」俺は身体を離して彼女を見つめ、ようやく目を開けた。彼女の瞳の中で色が渦巻いていたが...

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