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*セフィ*

「物心ついたときからです。両親は私が頭がおかしいと思ってます。祖母だけは私が特別なんだと言って、いつも両親に反論して私をかばってくれましたが、数年前に亡くなりました」彼女はそう言って、床に視線を落とした。

「でも、今もおばあさまの姿が見えるんでしょう?」

彼女は目を見開き、その愛らしい顔に笑みを広げた。「はい、見えます。しょっちゅう見えるんです。大抵は私のそばについて回っています。あの慈善パーティーの夜、複数の天使を同じ場所で一度に見たのは初めてでした。普段は一度に一人しか見ないので。すごく興奮したんですけど、みんな私のことを変人扱いして……」あの夜のことを思い出したのか、彼...

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