第五十九章

セフィ

ようやく目が覚めたとき、何時なのか、今日が何曜日なのかまったくわからなかった。部屋は真っ暗で、昼か夜かの区別もつかない。アドリックを探してベッドの上を手探りしてみたが、残念ながらいなかった。私だけだ。

さっきまでは立ち上がることさえできなかったのをなんとなく覚えていたから、ゆっくりとベッドの端へ移動した。足を下ろして上体を起こす。今のところ部屋は回っていない。いい兆候だ。ゆっくりと立ち上がる。足に力が入らないけれど、立つことはできる。よし、これならいける。バスルームへ向かって数歩進む。今のところ順調だ。

ドアがよく見えないので、両手を前に突き出して進んだ。壁に触れ、手探り...

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