第九十七章

セフィ

アドリックは疑わしげな表情を浮かべた。私はイヴァンを見て言った。

「彼に見せてあげて。この方法で治したっていう傷跡を。信じてないみたいだから」

イヴァンはシャツをまくり上げ、肋骨のあたりに走る長い傷跡をアドリックに見せた。

「医者に行って縫ってもらうのは断ったんだ。代わりに蜂蜜を詰めて治した。あんたに教えたのと同じやり方でな」

アドリックはイヴァンを見、私を見、そしてまたイヴァンへと視線を移した。「効果が出ていると分かるまで、どれくらいかかる?」彼は明らかに張り詰めていた。

イヴァンは少し考え込んだ。「正確には分からないな。こいつに関しては感覚がなかったから、痛みに効い...

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