第16章

目の前の女性はすでにボロボロのワンピースと白いシャツを脱ぎ、ウェディングドレスとクリスタルハイヒールに着替えていた。篠原菫子は元々痩せて背が高く、身長は170センチもある。

今、10センチのクリスタルシューズを履いて、さらにスタイルの良さが際立ち、完璧な長い脚が目を引いた。

彼女は服を着替えたばかりで、まだメイクもしていない。

しかし、化粧っけのない素顔でも、藤原和也を立ちすくませるには十分だった。

彼女には無意識の冷たさがあり、まるでこの世のどんなことも彼女には関係ないかのようだった。そして、この精巧に作られたウェディングドレスを着ることで、彼女の美しさはさらに無自覚でありながら、...

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