第57章

藤原和也の視線を感じ、篠原菫子は少し照れくさそうに微笑んだ。

彼女の笑顔は心からのもので、生き生きとした活力に満ちていた。

篠原菫子は今日の仕事がとても順調だった。おそらく藤原和也がくれたパソコンのおかげで、彼女の作業効率が上がったのだろう。今日オフィスのデザイナーたちに提出した図面は、彼らを驚かせて言葉を失わせるほどだった。

元々彼女は雑用をこなすだけの人で、パソコンすら使えないだろうと思われていた。しかし彼女が提出した図面は予想外に専門的で、脇に書かれた注釈も非常に詳細かつ機能的だった。

今日はデザイナーたちも篠原菫子をあまり困らせようとはしなかった。

篠原菫子は早めに退社し、...

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