第10章

待つというのは、胸をじわじわと締めつける。

とくに、希望が細い糸一本でぶら下がっているときほど――。

平原綾香はこの数日、ほとんど反射でスマホの通知を追っていた。振動が来た気がしては手を伸ばし、画面を見て、何もないと知って息を吐く。その繰り返し。

けれど、肝心の電話は鳴らない。

最初の自信は、日ごとの沈黙に削られていき、いつの間にか焦りに置き換わっていた。

提出した企画書を何度も読み返す。穴はない。田原涼子の適性も、ブランドの方向性との噛み合わせも高いはずだ。

周防マネージャーがわざわざ面談を設定し、「興味がある」と言った以上、ここまで動きが止まるのは不自然だった。

三日目の午...

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