第100章

田原家の別荘、夜。

田原隆志が扉を開けて入ってきたとき、手には洒落た箱に収められたシャンパンがぶら下がっていた。

『お父さん!』

田原絵美菜がぱたぱたと駆け寄り、顔を輝かせる。

『今日、なんでそんなに嬉しそうなの?』

田原隆志は腰をかがめて娘を抱き上げ、頬にちゅっとキスを落とした。

『今日は大きな商談がまとまったんだ。嬉しくないわけがないだろう』

娘を抱いたままダイニングのテーブルへ向かい、シャンパンを置く。後ろからついてきた使用人に顎で示した。

「グラスを二つ持ってきてくれ」

『お父さん、お酒飲むの?』

絵美菜がぱちぱちと瞬きをする。

『ああ。今日はしっかりお祝いだ』...

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