第103章

発表会が終わってから、最初こそメディアが一度だけ騒ぎ立てたものの、それ以降はまるで続報が途絶えたかのようだった。

松村礼嗣はデスクに腰を下ろし、目の前に広げた数枚の市場モニタリングレポートに視線を落とす。眉間に、うっすらと皺。

平原綾香はソファに身を預け、肩の力を抜いたまま、どこか余裕のある表情で彼を眺めていた。

「追加のプロモーション予算は、本当に要らないのか」

松村礼嗣が顔を上げ、彼女を見る。

「現状でも話題性は悪くない。だが田原家の広告攻勢は、もう何日も続いている。こちらが手を打たなければ、簡単に押し潰されるぞ」

平原綾香は首を横に振った。

「要らない」

「しかし……」...

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