第114章

田原涼子はソファに身を沈め、眉間にうっすら皺を寄せた。

『綾香、たとえ取締役たちが賭け事をしてるって突き止めたとしても、それってただの趣味の範囲じゃない?』

顔を上げ、向かいの平原綾香を見る。

『それを理由にどうこうできるわけでもないし、警察だって私人の集まりなんて相手にしないでしょ』

平原綾香は手元の資料を置き、口元だけで小さく笑った。

『松村グループの社内規程には、ちゃんと書いてあるの』

田原涼子はきょとんとする。

『……何が?』

『役員および取締役は、いかなる形であれ賭博行為に関与してはならない』

平原綾香は淡々と言った。

『創業当初から規程に盛り込まれていて、今も...

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