第12章

「違います! 誤解です! わざとじゃありません! 平原さんが『この女性は松村様に絡みに来た迷惑客だ』って言うから……私は会社の秩序を守ろうとしただけで……!」

受付の女は救いを求めるように平原寧々へ視線を投げた。瞳は懇願でいっぱいだ。

「平原さん、ひと言だけでも……! 私、平原さんのために――」

「何をでたらめ言ってんのよ!」

平原寧々が甲高い声で遮る。語気は鋭く、切っ先みたいに刺々しい。

「私がいつ、そんなこと頼んだ? 礼嗣のことが気になって、状況を聞いただけよ! 勝手に判断ミスしたのはあんたでしょ。私に関係ある?」

責任を振り払うのに必死で、言葉がせわしなく早い。露骨な嫌悪ま...

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