第121章

松村礼嗣は何も言わず、ただ静かに見つめていた。

モニターに、赤い警告が一行、ぱっと跳ねる。

「……くそ」

平原光が小さく悪態をつき、指先で数回タップしてそのウィンドウを閉じた。

その直後、肩がびくりと強張る。

――背後に、誰かいる。

平原光は震えるように首を回した。

ドア口に松村礼嗣が立っていた。無表情のまま、こちらを見ている。

「お、お父さん!?」

声が裏返り、反射的にタブレットを胸に抱え込む。

「い、いつ入ってきたの?」

「しばらくだ」

松村礼嗣は書斎へ入ってきて、彼の隣に腰を下ろした。

「何をしてる。ずいぶん真剣だな」

「な、何でもないよ」

平原光はタブレ...

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